■壬申の乱
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壬申の乱 (672年)
■データ
概要 皇位継承を巡る、皇室の合戦。
起こった時代・年月日
起こった場所・地名 奈良・飛鳥、近江・琵琶湖畔(詳しくは下記「乱の推移」参照)
関連人物 大海人皇子(のち天武天皇)方:高市皇子、大津皇子、大伴馬来田、大伴吹負、置始莵ほか
大友皇子(のち弘文天皇)方:
注目度 100%
関連記事 ・人間関係の難しさがもたらした壬申の乱
※注目度は、その事件・人物が有名であればあるほど高くなります。(0〜100まで。独断により決定。)
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■乱の推移
天智天皇の弟・大海人皇子と、天智天皇の子・大友皇子が、皇位を巡って争った戦いです。
もともと天智天皇は、大海人皇子に皇位を譲る気で居ましたが、やがて、大友皇子に譲ることを考え始めました。そこで、邪魔者となった大海人皇子を排除しようとします。これに気づいた大海人皇子は、先手をとって大津宮(当時の都)を離れ、大和(奈良県)の吉野に、出家して妻子と共に引きこもります。

671年12月、天智天皇が崩御すると、大海人皇子は、大友皇子が自身の命を狙っているという話しを聞き、またしても先手を取るべく、吉野を出発。途中、まだ近江(滋賀県・大津宮の所在地)にいた子の高市皇子(たけちのみこ)と大津皇子(おおつのみこ)を呼びにやらせ、数人を自身の領地があった美濃(岐阜県)に送り、挙兵の準備をさせました。さらに飛鳥でも兵を募り、大伴馬来田(おおとものまぐた)やその弟・吹負(ふけい)を味方につけます。

吉野を出てから伊賀の積殖山口で、高市皇子と合流。さらに伊勢、美濃と進軍し、大津皇子とも合流して、美濃の不破関に本陣をかまえました。この後、さらに尾張(愛知県)などから軍勢が合流しました。
このとき、大友皇子は、先手をとられて戦の準備に手間取っていました。この様子を尻目に、大海人軍は、軍を二手にわけ、一隊を琵琶湖畔を北から周り込んで大津宮に至るルートを進ませ、もう一隊は琵琶湖の南側を進み、大津宮を目指しました。

飛鳥では、大海人方の大伴吹負が大友皇子の軍と戦い、敗北し逃走しましたが、置始莵(おきそめのうさぎ)と合流し、大和(奈良県)の箸墓で、大友皇子の軍と再戦し、今度は勝利しました。

二隊に分かれた大海人軍は、琵琶湖の南側を進む軍勢が、鳥籠山、安河、栗太などで大友軍と戦い、勝利を重ね、ついに瀬田川を挟んだ最終決戦でも勝利しました。大友皇子は宮を脱出しましたが、山崎で自害しました。

約1ヶ月に渡る後継者争いでした。壬申の乱と呼ぶ理由は、この年の干支が壬申だったからです。




◆ 人間関係の難しさがもたらした壬申の乱

壬申の乱は、672年に起こった天皇後継の争いです。
この壬申の乱の発端は、天智天皇にあります。天智天皇は、大化の改新の際に中臣鎌足ととも
に、蘇我氏潰しに尽力した中大兄皇子ですが、このお方には弟がおりました。それが大海人皇子
です。

■天智天皇の巧みな伏線?
当初、天智天皇の後継者として、目されていたのはこの大海人皇子でした。しかし、天智天皇
は、息子である大友皇子に皇位を譲りたい。そこで、天智天皇は671年に大友皇子を太政大
臣に任命します。太政大臣というのは、朝廷では最高の位です。これにより、「次の皇位には大
友皇子がつく」と臣下の間でも噂がとびました。

■駆け引きをする皇族兄弟
天智天皇はさらに、大海人皇子を自室に呼び、「朕の死後はお前が皇位についてくれ」と言いまし
た。これに対して、大海人皇子は、「私は体が弱く、とても重責を果たせませぬ…。皇位は皇后陛
下にお譲りになり、大友皇子を皇太子になさるべきです。」と答えます。
しかし、これは本心ではありませんでした。
もしも、大海人皇子が、ここで「え、私が?いいのですか、ありがとうございます」などと言ってしま
えば、天智天皇に「大海人皇子には皇位への野心がある」と目されてしまいます。天智天皇は大
友皇子に皇位を譲りたいため、それでは都合がよろしくないのです。皇位への野心ある者を放
っておけば、天智天皇の死後、謀叛が起きるかもしれないからです。大海人皇子は、その天
智天皇の心を読み、「私は出家して、吉野に隠棲します」と言って、都を出ていきました。

間もなく、天智天皇が崩御すると、大友皇子は既に隠棲していた大海人皇子を殺害しようとしまし
た。そのため、大海人皇子も立ち上がり、ここに壬申の乱が勃発するのです。

わが子に跡を継がせたいというのは、いつの時代も変わりませんね。あの豊臣秀吉も一旦跡継
ぎとしていた養子の秀次を、自分に子ができてから、疎んじ始めてついに切腹させちゃいますか
らね。人間の本能なんですかねぇ。これ。


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